Blog
バレエに詳しくない人のための~バレエ教室の選び方~
皆さんは、物事の決断は早い方ですか?
それとも、結構悩んでしまう方?
特にそれが自分がよく知らない分野のことだと、ますます難しいですよね。
バレエを自分で始めようとか、お子さんの習い事として通わせたいという方は、おそらく分からない事だらけだと思います。そもそも、子育てって「初めて」だらけですしね…
この習い事で合ってるのか、この教室で良いのか、この先生(コーチ)で良いのか、
将来役立つだろうか、やめずに続けられるだろうか、お友達と楽しく過ごせるだろうか、
金銭的に無理はないだろうか、送迎など負担は大きすぎないだろうか…
などなど、たくさんの疑問や検討事項があり、もちろんどれも大切です。
考えているうちに分からなくなってしまい、
とりあえず気軽な気持ちでなんとなく・手近だったから・仲良しのお友達がいたから・安いから
先生が感じが良かったから・曜日と時間の都合がよかったから
という理由で決めてしまうこともあるかと思います。
が、それはお勧めしません。
なぜなら、日本ではバレエには国家資格や認定制度がなく、誰でも「先生」を名乗ることが出来ます。
バレエ教室と看板を掲げていても、教えるプロとは限らないのです。(学習塾と一緒ですね)
え、でもプロとしてキャリアのある人だったら、もちろん教える技術も確かなのでは?
いえいえ自分が踊るのが上手くても、教えるのが上手いとは限りません。ましてや、成長期の子供に教えるのですよ…?
子供相手の教育の大切さ、難しさは言うまでもないところです。
正しい知識を欠いた間違った運動指導で、体に痛みや支障が出ることだってないとも限りません。
さて、上記の「お教室選びの疑問」に一つずつお答えしましょう。
・この習い事で合ってるのだろうか?
►子供が幼児や小学生など小さいうちは、本人がやりたいと思えれば合っています。心の成長とともに自分の本当の「好き」が見えてきて、気持ちも変わるかもしれません。でもそれは幸せな「成長」です。
・この教室で良いのだろうか
►生徒たちの雰囲気が良ければそれは良い教室です。生徒たちが自発的に生き生きとレッスンに参加していれば、それだけで月謝を払う価値があると思いませんか。ぼんやりしたり、ふざけたり、自分で考えずに他の子のことばかり見ていたら、レッスンに魅力がなく、集中力が欠けているかもしれません。
・この先生で良いのだろうか?
►『怖い先生』は分かりやすくNGです。バレエと少し離れて、児童福祉の側面から考えてみてください。そういう先生は自分の思い通りにならないから「怒る」し、怖くて話しかけづらいと生徒が何か困っても相談できないですよね。また、バレエという繊細な身体コントロールを生徒に要求しながら、一方で脳も体も委縮するような怖い雰囲気をまとっているというのは、まったくもってやることが矛盾していると言えます。目的が生徒のバレエ上達であれば、これは大きな間違いだとすぐにでも気づくべきです。厳しい=怖いではありません。指導力不足を怖さ厳しさで補っている可能性もあります。
また『明るくて可愛い先生』は、正しいバレエの知識があり、しっかりした教育が出来るようであればとても良い先生です。「感じが良くて良い人」でも、あくまでも選ぶのはバレエ教室で、託児所ではないですからね。お月謝を無駄にしないためにも。
・将来役立つだろうか?
►役立ちます。ただし良い教室で正しい教育を受けた場合に限られるかもしれません。
・辞めずに続けられるだろうか?
►入会して楽しく通うことが出来さえすれば、立派なものです。子供が行きたくない気持ちになったときに、先生が親身に相談に乗ってくれて、一緒に解決策を探ることが出来るかどうかが大切ですね。
・お友達と楽しく過ごせるだろうか
►過ごせます。お教室がそういった環境を整えていれば、です。学校とはまた違った環境で苦楽を共にした仲間とは、とても素敵な関係が築けます。バレエの世界は競争もあり厳しいですが、子供の習い事である段階では、助け合うことや仲良くすることの大切さを教えることもバレエ教師の大切な役割です。
・金銭的に無理はないだろうか?
►無理な要求をするようなお教室は良いとは言えません。バレエ教師は、社会経験やビジネス経験がない人も多いので、ともすれば一般常識からかけ離れた「芸事の常識」を子供の習い事に当てはめてしまうケースがあるようです。個々の家庭状況に合わせて、レッスンやイベントごとへの参加を各自で決めることができ、教室もそれに理解と協力を示すのが望ましいです。
一方で、安ければ良いというものでもなく、バレエ教室という事業を運営していくために健全に誇りを持って適正な料金設定をしているかという所にも運営者のプロ意識と覚悟を見ることができると思います。
・送迎など親の負担は大きすぎないだろうか?
►この点を配慮することは、教室運営者の義務だと思っています。子供の習い事にとって、送迎は大きな問題です。特に平日の習い事は、学校が終わってから夕方以降の時間となり安全のためにもどうしても送迎が必須となります。保護者さんの送迎事情を考え、駐車場を備えている、バスの便が良い、駐輪場がある、親御さんが待機できる場所がある、などを適切に配慮しているスタジオかどうかも大切ですね。付近は駐車禁止です、ですが送迎はお願いします、では負担も大きくなってしまいます。
私は20年間バレエ教室を運営してきましたが、昔外資系証券会社に勤めた社会経験からして、バレエを愛しつつもバレエ界の常識には運営側としてあらためて驚くことも多々ありました。業界に長くいると、たくさんのバレエの先生を見ますし、知り合ったり話を聞く機会もたくさんありました。そんな中で、私なりの良い先生、良い教室というのが見えてきたんです。
また、これまでに出会った多くの生徒さんから聞いたお悩みや、過去のトラウマなどをいつか業界への忖度なく(笑)発信してみたいと思っていました。
結論:『軽い気持ちでバレエ教室を決めない方が良いです』
まあいっか…ではなく、絶対ここに通いたい通わせたい!と思えるお教室に出会えますように
時間もお金も無駄になるばかりか、本当なら宝石のようにキラキラ素敵な体験になるはずのバレエの時間が、そうでなくなることが残念なんです。
これから、バレエを習い事として検討している方や、今通っているお教室に悩みや不満のある方の解決に少しでも参考にしていただければ嬉しいです。
もし個別にご相談がありましたら ada.info@aodan.★ までどうぞ(★を「jp」に置き換えて下さいね)!
お役に立てれば何よりです。
文責:青山弘美
それとも、結構悩んでしまう方?
特にそれが自分がよく知らない分野のことだと、ますます難しいですよね。
バレエを自分で始めようとか、お子さんの習い事として通わせたいという方は、おそらく分からない事だらけだと思います。そもそも、子育てって「初めて」だらけですしね…
この習い事で合ってるのか、この教室で良いのか、この先生(コーチ)で良いのか、
将来役立つだろうか、やめずに続けられるだろうか、お友達と楽しく過ごせるだろうか、
金銭的に無理はないだろうか、送迎など負担は大きすぎないだろうか…
などなど、たくさんの疑問や検討事項があり、もちろんどれも大切です。
考えているうちに分からなくなってしまい、
とりあえず気軽な気持ちでなんとなく・手近だったから・仲良しのお友達がいたから・安いから
先生が感じが良かったから・曜日と時間の都合がよかったから
という理由で決めてしまうこともあるかと思います。
が、それはお勧めしません。
なぜなら、日本ではバレエには国家資格や認定制度がなく、誰でも「先生」を名乗ることが出来ます。
バレエ教室と看板を掲げていても、教えるプロとは限らないのです。(学習塾と一緒ですね)
え、でもプロとしてキャリアのある人だったら、もちろん教える技術も確かなのでは?
いえいえ自分が踊るのが上手くても、教えるのが上手いとは限りません。ましてや、成長期の子供に教えるのですよ…?
子供相手の教育の大切さ、難しさは言うまでもないところです。
正しい知識を欠いた間違った運動指導で、体に痛みや支障が出ることだってないとも限りません。
さて、上記の「お教室選びの疑問」に一つずつお答えしましょう。
・この習い事で合ってるのだろうか?
►子供が幼児や小学生など小さいうちは、本人がやりたいと思えれば合っています。心の成長とともに自分の本当の「好き」が見えてきて、気持ちも変わるかもしれません。でもそれは幸せな「成長」です。
・この教室で良いのだろうか
►生徒たちの雰囲気が良ければそれは良い教室です。生徒たちが自発的に生き生きとレッスンに参加していれば、それだけで月謝を払う価値があると思いませんか。ぼんやりしたり、ふざけたり、自分で考えずに他の子のことばかり見ていたら、レッスンに魅力がなく、集中力が欠けているかもしれません。
・この先生で良いのだろうか?
►『怖い先生』は分かりやすくNGです。バレエと少し離れて、児童福祉の側面から考えてみてください。そういう先生は自分の思い通りにならないから「怒る」し、怖くて話しかけづらいと生徒が何か困っても相談できないですよね。また、バレエという繊細な身体コントロールを生徒に要求しながら、一方で脳も体も委縮するような怖い雰囲気をまとっているというのは、まったくもってやることが矛盾していると言えます。目的が生徒のバレエ上達であれば、これは大きな間違いだとすぐにでも気づくべきです。厳しい=怖いではありません。指導力不足を怖さ厳しさで補っている可能性もあります。
また『明るくて可愛い先生』は、正しいバレエの知識があり、しっかりした教育が出来るようであればとても良い先生です。「感じが良くて良い人」でも、あくまでも選ぶのはバレエ教室で、託児所ではないですからね。お月謝を無駄にしないためにも。
・将来役立つだろうか?
►役立ちます。ただし良い教室で正しい教育を受けた場合に限られるかもしれません。
・辞めずに続けられるだろうか?
►入会して楽しく通うことが出来さえすれば、立派なものです。子供が行きたくない気持ちになったときに、先生が親身に相談に乗ってくれて、一緒に解決策を探ることが出来るかどうかが大切ですね。
・お友達と楽しく過ごせるだろうか
►過ごせます。お教室がそういった環境を整えていれば、です。学校とはまた違った環境で苦楽を共にした仲間とは、とても素敵な関係が築けます。バレエの世界は競争もあり厳しいですが、子供の習い事である段階では、助け合うことや仲良くすることの大切さを教えることもバレエ教師の大切な役割です。
・金銭的に無理はないだろうか?
►無理な要求をするようなお教室は良いとは言えません。バレエ教師は、社会経験やビジネス経験がない人も多いので、ともすれば一般常識からかけ離れた「芸事の常識」を子供の習い事に当てはめてしまうケースがあるようです。個々の家庭状況に合わせて、レッスンやイベントごとへの参加を各自で決めることができ、教室もそれに理解と協力を示すのが望ましいです。
一方で、安ければ良いというものでもなく、バレエ教室という事業を運営していくために健全に誇りを持って適正な料金設定をしているかという所にも運営者のプロ意識と覚悟を見ることができると思います。
・送迎など親の負担は大きすぎないだろうか?
►この点を配慮することは、教室運営者の義務だと思っています。子供の習い事にとって、送迎は大きな問題です。特に平日の習い事は、学校が終わってから夕方以降の時間となり安全のためにもどうしても送迎が必須となります。保護者さんの送迎事情を考え、駐車場を備えている、バスの便が良い、駐輪場がある、親御さんが待機できる場所がある、などを適切に配慮しているスタジオかどうかも大切ですね。付近は駐車禁止です、ですが送迎はお願いします、では負担も大きくなってしまいます。
私は20年間バレエ教室を運営してきましたが、昔外資系証券会社に勤めた社会経験からして、バレエを愛しつつもバレエ界の常識には運営側としてあらためて驚くことも多々ありました。業界に長くいると、たくさんのバレエの先生を見ますし、知り合ったり話を聞く機会もたくさんありました。そんな中で、私なりの良い先生、良い教室というのが見えてきたんです。
また、これまでに出会った多くの生徒さんから聞いたお悩みや、過去のトラウマなどをいつか業界への忖度なく(笑)発信してみたいと思っていました。
結論:『軽い気持ちでバレエ教室を決めない方が良いです』
まあいっか…ではなく、絶対ここに通いたい通わせたい!と思えるお教室に出会えますように
時間もお金も無駄になるばかりか、本当なら宝石のようにキラキラ素敵な体験になるはずのバレエの時間が、そうでなくなることが残念なんです。
これから、バレエを習い事として検討している方や、今通っているお教室に悩みや不満のある方の解決に少しでも参考にしていただければ嬉しいです。
もし個別にご相談がありましたら ada.info@aodan.★ までどうぞ(★を「jp」に置き換えて下さいね)!
お役に立てれば何よりです。
文責:青山弘美